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やさしいキスのみつけかた


「小さいなぁ・・・・麻子」

そっと呟いた彼の言葉が耳にあつい。



やさしいキスのみつけかた
まだまだ眠気を誘う4月の朝6時。
手塚は、ゆるゆると眠たい目を開けた、

公休が合った休み。
つきあって三か月の手塚と柴崎は一泊二日の旅行に出ていた。


夜明けも間近、当然のように手塚の隣には綺麗な顔で眠る柴崎が眠っていた。


熟睡している柴崎の髪に思わず腕を伸ばし、ストレートの長い髪を梳いた。


「んー・・・・まだ眠いのに、なぁにー?」


文句を口にしつつも、眠たい目をこすりながら、幸せそうに柴崎は手塚を見上げた。


「なんでもないよ」


そういいつつ、柴崎を抱き寄せて額に静かに口づけ、髪をなでる。
さらさらとした触り心地が気持ち良い。



手塚の腕の中で何度かごそごそと動いて
収まりの良い場所を見つけて、猫のように丸まって、また眠りについた。



まだまだ肌寒い時期だから、
くっついて眠るのは、とても気持ちがいい。



柴崎からは、すぐに寝息がきこえてきた。


その寝顔が可愛くて、愛しくて、今度は頬に小さなキスを落とした。


普段は意固地で、いじっぱりで、いつも貶されてばかりで全然勝てるなんて思えない。
なのに、友達思いで、自分では気づいてないけど、情にあつくて、
その口の悪さは照れ隠しだと気づいてからは、本当に可愛くて仕方がない。


今までにも何度か女の子とはつきあった。
デートもしたし、それなりに好きだと思っていたから肌も重ねた。


ただ、ここまで愛しく思うのは彼女が初めてで、
こんなに翻弄されている自分が少し滑稽で、おもしろい。


「ん・・・」
柴崎が腕の中で寝返りをうち、背中を向けた。




その小回りの良さに少しびっくりした。
こんな腕の中にすっぽり納まって、しかも寝返りが打てるなんて





「小さいなぁ・・・・麻子」





耳が赤くなった柴崎には気づかず、
そっとその背中に口づけて、
手塚は惰眠を貪るように眠りに落ちた。












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しあわせ雰囲気の手柴に会いたくて(笑)執筆。
約1年ぶりのお目汚し失礼しました。

実は、柴崎サイドの続きがあるのですが、長くなったので、ひとまずここで。

基本はSSスタイルを貫く空想ライブラリーでした。(一年に記事ひとつ更新とかどうなの、自分。)

タイトルは島谷ひとみさんの楽曲から。
「こんな小さなSサイズにキミは入っちゃうのかい?」のフレーズからインスピ話です。


あぁ、本家有川センセの手柴に会いたい


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