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God bless me


  
 

起きると隣にはあたたかい背中。
それは随分と前に見ることがなくなった背中。
 
 
これは夢だろうか。
夢だとしたらあまりにも残酷な夢だ。 
  


試しに腕を回してみると、
ぶつぶつと2、3言口走り、
くるりと顔をあたしの方へむけた。

その顔は明らかに

遠くみなくなった顔で。


あたしは嬉しさに涙がこみあげてくる。

その幸福感をさらに実感するために、
それでも顔はみたかったから、手だけをしっかり握ってみる。

握りかえってくる感触が嬉しくて、

それだけであたしの胸はいっぱいになる。

幸福感に酔いしれる。



何泣いてるんだよ、とかけられる声と頭をなでる大きな手が気持ちよくて


涙が零れ落ちそうだ。
 
 

でも、わかってる。

どこかでそんなことはありえないんだと呟く自分がいる。

そしてそれにわかっていると頷く自分もいる。

大丈夫、わかってる。


たとえこの残酷な夢から目覚めたとき、残るものは現実という失望感が訪れることだけだと知っていても、

あたしはこの幸福感から脱却しようとは思えない。
この幸福感を手放そうとは絶対思わない。


だって、今この瞬間、この愛情はあたしだけに注がれてる。



 
 
ここには、私が悲しむことは何一つ存在しないのだから。

誰かが血を流すことも死ぬこともない。私が誰かを殺すことだってありえない。

 
 
 
 
世間一般的にはこういうのをおかしい。というのかもしれないけれど。


でも、あたしにとって此処は唯一のセーフティゾーン。


抱きしめたら抱きしめかえしてくれる。

この幸せは他に例えようがない。



わかっている。
   
   この幸福が現実でないくらい。

わかっている。

   このことが夢幻であることぐらい。

わかっている。
   
   彼が生きていないことくらい。

わかっている。

   すべて、あたしが自分についた嘘だってことも。
 

わかっている。
わかっている。
わかっている。  
 
    



でも、ここでは私が願えば総てが叶うんだから。


そのぬくもりを腕に残して思う。




だって、これはあたしの世界の中であたしという
神様が見た夢。
         

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
*********************
こんなちっぽけな願いでさえ、所詮あたし以外誰も叶えてくれない。 
 
 
 

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