FC2ブログ

メニューへ移動する


Home >> スポンサー広告 >> スポンサーサイト

Home >> Short Story >> 夏大

スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏大


声にならなかった。 
 
 


3年間。ただそれだけを考えていたのに。
 
 
 

チームメイトには「泣くな」と言った。
3塁側に挨拶するときも守は笑顔だった。
それは、精一杯やった証拠だと見せたかった。
 
 
 
 
 
 
 

誰に?

自分に?
 

 
 
 
 
 
 

皆がバックから出て行って、最後もう一度その舞台を見ておきたくて、振り向いたらそこには高尾がいた。
バッテリーを組んでもう6年目。
守にとって誰よりも、心通じるヤツだった。彼の左手めがけて何球投げたかわからない。

その高尾とも今日で終わる。
 

守は、つかつかと高尾に歩み寄っていき、そのまま無造作に彼の肩に頭を勢いよく乗せた。
高尾も黙って守の肩に頭を乗せた。

そこでようやく2人は声にならない嗚咽を漏らした。

お互いのユニフォームを握りしめながら。
背中の「1」と「2」がぐしゃりとゆがんだ。
 
 
 
 
 

3年間。
土に汚れた。

3年間。
高校時代の半分以上をグラウンドで過ごしたかもしれない。

3年間。
1日もボールを握らない日はなかった。

グローブは常に持っていた。

バットを握る手は豆が潰れていた。

 
 
 
 
 

彼らの夏は確かに終わった。
それは、自分達が一番よく分かっていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

後々にそっと小瓶に詰められた土を見て、一番に思い出すのはこの歪んだ背番号なのだろう。



 
 
 
 
 
悔しさ すら 全て 思い出。


  
 
 
 
 
 
 

**********
 

タイトルは「なつたい」と読みます。

夏の大会の涙は、青春の後。

重いです・・・。
スポンサーサイト


Comment

Comment form
 ※コメントの修正・削除の際に必要です

管理者のみ読めるようにする


Trackback

このエントリーのトラックバックURL
http://sarasroom.blog109.fc2.com/tb.php/33-dfc00a49
引用して記事を書く(FC2ブログ用)




ページ先頭へ戻る


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。