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子守歌 【檸檬】


それは、寝苦しい夜の話。
檸檬は何度も寝返りを打ちながら頭をもたげていた。


そもそも今日は、寝付けなかった。だからこうして省の部屋に来て、それこそ一緒のベッドで眠っているのだけれども。


「う・・・・」


痛い、暑い、眠い、ダルい。

寝ている筈なのに頭の中には、そんな言葉が浮かんでは消え、また浮かんでは消える。
エアコンが効いているから、暑い筈も無いのに。
省は隣で眠っているだけで、特に何かしているわけでもないから痛いはずもない。

この寝苦しさの理由がわからなくて異様に不安になる。
だめだ、最近情緒不安定みたい。頭の中がぐるぐると螺旋を描いているような感覚で、何処かが冴えて眠れない。
でも、体は睡眠を欲していて、苦しい。

苦しい。すごくと苦しい。

横に居る省にはただでさえ迷惑を掛けている。まさか、このまま起こすわけにもいかない。

ねたい。ねむたい。ねむれない。

もぞもぞと居心地が良い場所を探すけど、何処もしっくり来なくて。

終には、いらいらする始末。

ちら、と視界に入ったサイドボードの時計。針は午前2時を過ぎていることを明らかに示していた。

寝なきゃ、と思えば思うほど、余計に眠れない。
カチカチと耳障りなアナログ時計の音ばかり耳に響く。 眠たい。寝よう。寝るんだ。

意識を睡眠下にとばすものの、眠れる気配は訪れなくて、仕方なくもう一度、居心地がよさそうな場所を探してみる。


「ん・・・」

省がふと寝返りをうつ。

起こしたのだろうか、罪悪感に胸が締め付けられる。
省の顔をふと除けば、目は開いてない。

眠らせてあげたい。自分の都合で、起したくなんてなかったから心底ほっとした。


起きるか、寝るか。檸檬は二者択一の選択に迫られていた。そうして天井を見見上げると、寝ているはずの省の腕が視界を掠め、そのまま、ぐいっと、抱き寄せられた。

「!?」


見事なまでに省の腕の中にすっぽり納まっていて、思わぬ居心地のよさにほっとする。そうして目を閉じれば、さっきまでの不快なアナログ時計の音は無くて、省の鼓動が耳に心地よくひびいてきた。

強く脈打つ、暖かな音が。

その心地よさに思わず、訪れなかった睡魔が押し寄せてきて。
いつの間にか不安と焦燥のイライラはおさまっていて。

その暖かな子守歌をききつつ、今度は朝までぐっすり眠れた。


 
 
 
 
 
 
 
***************
 
 
 
 

翌朝起きた時に言ったら、瑠璃にもよくやるんだよなぁ、ですって。なんかムカつく!
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