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ステップ1 【ラディッシュ・br】


 
 
俺は一生で一番緊張したのは何よりこの18の夏だったと思う。
 
 
 
ステップ1. まずは、名前と顔を覚えさせましょう
 
蝉が五月蝿い。
その和食料理屋は大きな木の裏側にあった。
青く茂った木々は蝉の五月蝿さを余計に反映していそうだが、入り口は木陰となっているので意外と涼しい。
その入り口の引き戸をあけると段差がある。
その段差の向こうに対象者をみつけて、

そして俺は、

一生に一度の大告白をした。
 
 
 
「結婚してください!!!!」
 
「嫌です。」

 あっけなく玉砕。
 告白相手は麻里子さん。20歳そこそこで、この和食料理屋で働いている。黒髪の仏人ハーフで、その料理屋の若女将らしい。
惚れた理由はおいといて、兎に角、俺はこの人だと思った。
だからプロポーズまでしたのに。
あっけなく玉砕(涙)。
それは無いだろう!?
とか思ってたら

「だって、アナタ高校生でしょう?」

と一言。

「でも働いてます」

そう。こういうのもなんだが俺の稼ぎはハンパじゃない。

「・・・何をやっているの?」

「ホストです!!」

「・・・・・」

俺は確実に振られると思った。
真面目馬鹿すぎるのがチャームポイントだがなによりの「玉に瑕」だ。


次の瞬間。
くすくすと笑う麻里子さんの顔が目にやきついた。

「・・・・。アナタ。莫迦だって言われない?」

「俺が莫迦でも、麻里子さんが賢いから良いんです!!」

俺は力説する。
もう何を言っているのかさえ分かってはいない。


「だって、世界には必ず対立物であるからこそ上手くいくパターンが多いんですよ!?
 暗闇は光がないと意味がないし、光は暗闇が無いと存在価値が無いじゃないですか!!」

「あはっあはははっ」

麻里子は涙声で笑う。
上戸に入ったのかとても客前では見せれない笑顔である。
クールな麻里子が笑っているだけで幸せな気分になるのは何故だろう。

ようやく笑い収まった麻里子は

「わかった。じゃあ、ホストバージョンで私を口説いてみせてよ」


と、明らかにからかった口調で、またそれが自分でおかしかったのか、笑いをこらえキレすにふきだした。




っていうか、そもそも俺は『作ってない』から。ホストバージョンも何もないんだけどな。

尚がそう思っているのを麻里子はもちろん知らない。


期待の目を尚にむけた。 
 
 


「俺が太陽なら麻里子さんは月。くるくると表情を変える月のよう。
でも、それは俺という太陽が無いと存在しないし見ることもできない。でも、そんなところが好き。だって月が姿を変える事に太陽は魅せられ恋焦がれるのだから。」
 
 

そう言ったあと、麻里子さんはもう駄目だと散々爆笑してから、ようやく一言を発した。

「アナタ、お名前は?」
 
 
 
 
どうやら、名前を覚えてもらうのには成功したらしい。
  
 
 
 

~~~~FIN~~~~~
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